【パッケージ印刷とは?】紙器パッケージ印刷の種類や方法、制作の流れまでをわかりやすく解説

ハンドバッグボックス

自社ブランドの紙器パッケージを制作する際に、魅力が伝わるパッケージにしたいけど、、、、

どのようなパッケージデザインにして、どの印刷方法でパッケージ印刷を依頼すれば良いのかイマイチよくわからないとお悩みの方はいらっしゃいませんか?

パッケージ印刷は、あらかじめデザインされたパッケージデザインに沿って、特殊な機械を用いて印刷を行い、商品によっては製函(箱の組立)まで発注した印刷会社にて行います。

この記事では、パッケージ印刷の基本から印刷方法・工程・印刷会社選びについて解説しています。思わず手に取りたくなるような魅力的なパッケージ制作に繋がるよう、ぜひ最後までご覧いただけると幸いです。

パッケージ印刷とは?

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パッケージ印刷とは、製品や商品を包装する素材(化粧箱やボトルなど)に印刷を行う工程やそのサービスのことを指します。

パッケージに印刷を施すことで、消費者に製品の特徴やメーカーの知名度を向上させることができます。

また、オリジナリティ溢れるパッケージデザインを考案することで消費者の購買意欲を高めるだけでなく、ニュースやSNSなどに取り上げられることもあり、そこから商品の人気がさらに上がるっと言ったことも最近ではあります。

パッケージ印刷の種類について

構図作業の写真

パッケージ印刷では、印刷をする素材によって印刷方法が異なります。

こちらでは、パッケージ印刷の方法について種類ごとにわかりやすく解説いたします。

オフセット印刷

パッケージ印刷におけるオフセット印刷は、水と油性のインクが反発しあう性質を利用した印刷方法で、印刷版に塗られたインクをブランケット**に転写してから紙に印刷していきます。

表面の凹凸が極めて少ない印刷版を使用するため、親油性の部分と親水性の部分でデザインを分けることができます。人物写真や小さな文字などを鮮明に印刷できるため、化粧箱や紙ベースのパッケージに適しており、短時間で大量の印刷が可能であるため、コストを抑えられるというメリットもあります。

また、オフセット印刷は、印刷物を乾燥させる時間が必要となりますが、色数の制限がないため繊細な表現やグラデーションを紙器パッケージに施したい場合におすすめです。

特徴・水と油が互いに反発しあう性質を利用した印刷方法
・版に印刷した絵柄をブランケットに転写してから紙に印刷
メリット・表現性の高い鮮明な仕上がり
・短時間で大量に印刷できる
・コストを抑え印刷することができる
デメリット・油性系のオフセット印刷では、印刷後も印刷物を乾燥させる時間が必要
※UV系のオフセット印刷では、即硬化するため乾燥時間は不要になります。
当社の印刷機は全てUV印刷機となるため、乾燥時間は不要となります。
向いている素材・板紙

**ブランケットとは?】
印刷におけるブランケットとは、オフセット印刷の際に印刷版から紙にインクを転写するゴムや樹脂製のローラーのことを指します。

グラビア印刷

パッケージ印刷におけるグラビア印刷とは、凹版印刷(おうはんいんさつ)**の一種で、フィルムや紙などの素材に印刷する方法です。シリンダーと呼ばれる金属の印刷版の凹みに印刷するデザインを流し込み、紙に押し付けることで印刷をしていきます。

「レーザー製版」と「彫刻製版」の2種類があり、写真などにはレーザー版が向いており、文字やバーコードなどのはっきりとした線を表現したい場合には彫刻製版が向いています。

グラビア印刷は「グラビア雑誌」の由来にもなっており、フィルムやビニール素材への印刷など比較的緻密な表現に向いています。しかし、印刷版の金額が高価なのと、最低ロット**が2,000m~4,000mの会社が多いため、少数部の印刷にはあまりおすすめではありません。

特徴・凸版印刷の一種で、印刷版の凹みにインクを流し転写する印刷方法
・グラビア印刷の方法には、レーザー製版と彫刻製版がある
メリット・緻密な印刷ができる
・大量印刷に向いている
デメリット・印刷版が高価
・最低ロットが2,000m~4,000mからの会社が多い
向いている素材・フィルム
・ビニール

**凹版印刷(おうはんいんさつ)とは?】
印刷したい部分を凹状に彫り、そのくぼみにインクを溜め込んで紙やフィルムなどの素材に転写する印刷方法のことを指します。

**ロットとは?】
印刷におけるロットとは、同じ条件で印刷する製品の最小単位、もしくは一度に印刷する数量を指します。数量が多い大ロットの場合はオフセット印刷、数量が少ない小ロットの場合はオンデマンド印刷をするのが一般的です。

フレキソ印刷

フレキソ印刷とはゴムや樹脂でできた印刷版を使用し、版に凹凸をつけ凸部分についているインクを転写します。ダンボールや紙袋のパッケージなどに印刷する凸版印刷(とっぱんいんさつ)**の一種です。

版が柔軟で凹凸のある素材や伸縮面にも対応することができ、ダンボールやクラフト紙・プラスチック素材などへ印刷するさいに向いている印刷方法となります。また、水性インクを使用するため環境に優しいというメリットがあります。

一方、小さな文字やグラデーションなどの緻密な印刷には向いていません。また、オフセット印刷と比較するとコストは抑えられますが、印刷する面積により版代が変わりるため、パッケージ全面にデザイン施す印刷を行う場合は高額になるため注意が必要です。

特徴・ゴム製や樹脂製の版に凹凸をつけ凸部分についているインクをプリントする方法
・凸版印刷の一種
メリット・水性のインクを使うので環境に優しい
・オフセット印刷よりコストが低い
デメリット・細かいデザインができない
・全面印刷の場合は高額になる
向いている素材・ダンボール
・クラフト紙
・プラスチック

**凸版印刷(とっぱんいんさつ)とは?】
凸版印刷とは、印刷したい部分を凸状になるまでインクをつけ、髪に直接圧力をかけて転写する印刷方法のことを指します。

デジタル印刷

パッケージ印刷におけるデジタル印刷とは、ほかの印刷方法とは違い版を使わずに印刷します。パッケージ印刷でも活用されており、小ロットやカスタマイズなどさまざまなニーズにも対応できます。

印刷版を使わず使用データから直接転写をするので、版を使わない分コストを削減でき、納期の短縮が可能です。多くの種類を少量印刷したり、試しにデザインが違うもの作りたいなどの要望にもコストをなるべく下げて対応することができます。

しかし、オフセット印刷と比較すると色彩表現の精度が落ちるところがデメリットです。

特徴・印刷版を使わず、PCに取り込んだデータを元に印刷する
メリット・さまざまなニーズに対応できる
・小ロットの印刷ができる
・短縮納期が可能
・コスト削減ができる
デメリット・オフセット印刷と比べると色彩表現の精度が低い
向いている素材・インクジェット紙
・さまざまな生地

パッケージ印刷における『抜き型(ぬきがた)』とは?

パッケージ印刷には、抜き型(ぬきがた)加工と呼ばれる作業があります。

抜き型とは、紙やダンボールなどの素材を、特定の形状に切り抜くための金型(かながた)のことを指します。

抜き型は基板(きばん)と刃物の2つの部分で構成されており、基板は一般的に木製のベニヤ板で作られています。刃物の形や配置により、さまざまな形状に切り抜くことができます。クッキーの型抜きのようなものを思い浮かべていただくと、想像しやすいかもしれません。

抜き型を使用することで丸や四角などの一般的なデザインではなく、個性的なデザインや形状の化粧箱を制作することができます。よく目にする身近なものですと独特な形をした土産物の箱やお菓子の箱などが、この抜き型によって作ることが出来ます。 また、抜き型は外枠だけでなく内側を型抜くこともでき、穴あけやミシン目にも対応しています。

パッケージ印刷の流れ

パッケージ印刷の手順は目的の明細化やデザイン制作、方法の選択などから構成されます。

こちらでは、パッケージ印刷をする工程を大きく5つの手順に分け解説していきます。

  1. Step01 – デザインの戦略を立てる
  2. Step02 – 印刷する素材を決める
  3. Step03 – 印刷の刷り方を決める
  4. Step04 – 印刷方法を選ぶ
  5. Step05 – 仕上げの加工を決める

Step ①:デザインの戦略を立てる

構図作業の写真

パッケージ印刷をするにあたり、まず最初に行われるのが売上向上につながるデザイン計画です。(ここでいうデザインは、印刷物のデザインと化粧箱の形状デザインの両方を指します)

パッケージは商品を一番最初に消費者にアピールする『顔』となるため、手に取る消費者のターゲットを明確にしておかなければどんなにおしゃれなパッケージでも、ターゲットに合わないデザインコンセプトはターゲットの心に刺さらず商品の売り上げにも大きく影響してしまいます。

消費者が商品を選ぶ短い時間の中で、商品の特徴や魅力をいかにパッと伝えられるデザインにするかが非常に重要になります。そのためには、やはりターゲットの明確化や商品自体の強み・自社ブランドのイメージや独自性を意識し、消費者に明確に伝えられるデザインを考案する必要があります。

また、見た目のデザイン以外にもパッケージの摩擦耐久性や耐水性・耐薬品性・印刷後の表面加工など、その他細かい部分に関しても非常に重要なポイントになりますので、デザイン戦略のフェーズの中で詳細を詰めていきます。

Step②:印刷する素材を決める

デザインが決定したら、印刷に使用する素材を決めていきます。

パッケージにかかるコストも考慮しながら、商品の特性や重さ・形状・使用条件などを踏まえ慎重に素材を選んでいきます。

近年では環境を考慮したブランド商品であることを宣伝するために、環境に優しい素材を使ったパッケージもトレンドとして多くなってきています。

印刷する素材は、一般的に以下のような素材が使われることが多いです。

板紙(いたがみ)
ボール紙とも呼ばれる厚みのある紙で、耐久性に優れ食品や日用品など幅広い用途で使われています
●フィルム
ポリエステルやポリプロピレンなどを素材とし加工食品や生鮮食品などのパッケージに適している。光沢を抑えたマット加工もあり、さまざまなデザインを表現できます
●ダンボール
厚みがあるので重量のある商品の保護に向いており、耐久性もあるため運搬時の衝撃からもしっかりと中の商品を保護してくれます

あくまで一般的な素材としてご紹介しましたが、当社ではさまざまな種類の素材の取り扱いがあります。質感や耐久性などのご希望を伺いし、より適した素材のご提案をいたします。

Step③:印刷の刷り方を決める

CTP設備の写真

印刷する素材を決めた後、印刷物へ印刷する際の刷り方を選んでいきます。

パッケージ印刷には、代表的な刷り方として以下3つがあります。

  • 表刷り(おもてずり)
  • 中刷り(なかずり)
  • 裏刷り(うらずり
表刷り【パッケージの表面にデザインやテキストを印刷する基本的な手法】
・表面のみに印刷をするためコストが抑えられる
・鮮明な印刷によって商品の魅力を引き出せる
・外側に印刷するため擦れて剝がれやすい
中刷り【印刷した面の表面に透明のフィルムを貼り合わせて(ラミネート加工)擦れを防止する手法】
・ラミネート加工により表面のインクの擦れを防ぐことができる
・耐水性と耐久性がアップし印刷の持続性を高める
・ラミネート加工が必要な分コストが発生する
裏刷り【袋などの透明な素材の裏側から反対向きに印刷する手法】
・裏側に印刷するため水濡れや擦れの心配がない
・透明のパッケージにしか使用できない
・食品と印刷部分が触れるためパンや菓子などの食品のパッケージには不向き

工程④:印刷方法を選ぶ

印刷するデザインにしたがって、以下の4種類のから適切な印刷方法を選んでいきます。

  • オフセット印刷
  • グラビア印刷
  • フレキソ印刷
  • デジタル印刷

パッケージのサイズや素材・生産量・納期・コスト・環境面など、さまざまな観点から考慮し印刷方法を選ぶことがポイントです。

また、デザインデータの色と実際に印刷された色が異なる場合もあるためイメージしていた色が出ているのか、商品の良さをパッケージで鮮明に表現できているかも確認することも非常に大切です。

工程⑤:仕上げの加工を決める

仕上げの加工は必ずしも行う必要はありませんが、仕上げの加工を一手間いれることで、より魅力的で印象的なパッケージになるためコストはかかってしまいますが、より良い印象を消費者に与えることができます。

仕上げの加工は、大きく分けて以下のような加工になります。

  • ラミネート加工
  • エンボス加工
  • 箔押し(はくおし)加工 etc.
ラミネート加工・パッケージにプラスチックフィルムを貼り、表面を保護したり耐久性を高めるための加工
・異なる素材を組み合わせることが可能
・特殊な質感も加えられるのでデザイン性の高い仕上がりになる
・水濡れや汚れなどから印刷物を守り、長期間パッケージを強く美しく保ちます
エンボス加工・紙や金属など素材の表面に凹凸の模様や文字を浮き上がらせる加工
・立体感や高級感、特別感を演出できるため、視覚だけでなく「触覚」でも消費者の心を掴むことができます
箔押し(はくおし)加工・金箔や銀白などの箔を紙やプラスチックに転写する加工
・インクの印刷とは異なる質感で、ギフト商品などの品名やワンポイントとして使用すると特別感や高級感を演出することができる
・箔の種類や加工法により、メタリックやホログラムなどの光沢感のある仕上がりにできる
・凹凸をつけることもできるので、立体感のある仕上がりになる

パッケージ印刷会社の選び方のポイント

パッケージ印刷の種類やパッケージを制作の流れなどを簡単にですがご説明させていただきました。

これらを理解した上で重要なポイントとなるのがパッケージ印刷会社選びです。

ご自身のイメージする最高のパッケージを共に作り上げることのできるパートナーをしっかりと選定することがパッケージ制作成功の鍵となります。

印刷会社を選ぶ際には、以下のような観点から考慮し印刷会社を選定していくことオススメします。

  • 品質
  • 実績
  • デザイン
  • コスト
  • 対応
  • 納期

Point①:品質

印刷作業の写真

パッケージ印刷に適したインクが選択できているかが大切になります。

正確な色の再現や印刷が色ムラのない均一な仕上がりになっているのか。適したパッケージ印刷であれば消費者も安心するため、ブランドの信頼性も高めることができます。

Point②:実績

豊富な取引の実績があり、印刷の知識がしっかりしている会社であれば、クライアント様の要望を的確に汲み取り、要件に合わせたデザインや仕様の提案ができるためイメージ通りのパッケージデザインとなることが多いです。

また、自社工場がある印刷会社は高い品質管理が担保できており、納期についても柔軟な対応が可能な会社が比較的多いです。

Point③:デザイン

自社ブランドの戦略に合ったテイストのパッケージデザインが実現できるか、競合商品と比較して存在感のあるパッケージかなどもパッケージデザインの重要なポイントになります。

統一感のあるデザインや高品質なパッケージが実現できることでブランドの信頼性が高まり、消費者からの印象アップにも繋がります。

Point④:コスト

料金体系は依頼先の印刷会社によって異なり、さらにクライアント様の要望や使いたい素材や印刷手法・加工などにより大きく変動するため、一概にどこの印刷会社が良いのか判断することは難しいかもしれません。

そのため、自社の予算とやりたいことの費用が見合っているのかを依頼先の印刷会社にしっかりと確認することが重要になります。

その中で積極的にヒアリングし、提案やアドバイスをしてくれる印刷会社であれば、要望を細かく伝えることで余分な費用を抑えつつも、さらにブラッシュアップした成果物(パッケージ印刷)を作りあげることができます。

また、料金に関しては印刷会社によって、基本デザイン料のほか、管理費・交通費や場所によっては出張費などがかかるケースもありますので、事前に確認しておくことが大切です。

Point⑤:対応

企画〜印刷までの全ての手順を一貫して対応できる印刷会社であれば、取引を迅速に行えるため納期が遅延する可能性も低くなります。

また、実担当者の提案力や柔軟性、意思疎通やコミュニケーションがしっかり取れる担当者かも確認しておくことが非常に重要です。

Point⑥:納期

パッケージ印刷の納期がすでに決まっている場合は、納期に間に合うスピードで対応してもらえるかを見極める必要があります。

迅速な対応でも高品質な状態で納期を守ってもらえるのか確認を忘れないよう注意してください。

まとめ

今回はパッケージ印刷について、印刷方法の種類や手順・印刷会社の選び方について解説しました。

パッケージ印刷とは、商品の箱など包装材に印刷することを指し、商品の付加価値を高めたり、ブランドの特徴を消費者に伝える上で非常に重要な役割を果たします。

パッケージ印刷は素材の種類によって印刷方法が異なり、代表的な手法は以下になります。

  • オフセット印刷
  • グラビア印刷
  • フレキソ印刷
  • デジタル印刷

また、パッケージ印刷ができるまでの間には以下のようないくつかの工程があります。

各工程をしっかりと印刷会社の担当者と進めていくことで、より自社ブランドのイメージ・独自性を伝えられるパッケージに仕上がり、消費者の商品購入意欲へと直結していきます。

  1. デザインの戦略を立てる
  2. 印刷する素材を決める
  3. 印刷の刷り方を決める
  4. 印刷方法を選ぶ
  5. 仕上げの加工を決める

最後に安心して依頼できる印刷会社を選ぶためのポイントとして、『品質・実績・デザイン・コスト・対応・納期』の観点から精査を行なっていくことおすすめいたします。

とはいうものの、実際にインターネットなどで調べただけでは良し悪しの判断は難しいかと思います。

そこでおすすめなのが、各印刷会社で不定期に安価にパッケージ印刷ができるキャンペーンなどを実施している印刷会社もあります。

そのようなキャンペーンを実施している印刷会社があれば、実際に注文を行いコストや対応の柔軟性や成果物のクオリティなど確認し今後のパッケージ印刷依頼の参考にしていくのも一つの方法になります。

構図作業の写真
端末を操作している男性の写真

当社でも、不定期で紙型キャンペーン(現在は終了)なども実施しておりますので、キャンペーンを実施する際にはホームページにてアナウンスしております。

パッケージ印刷は商品の魅力を引き出すための非常に大切な印刷です。

自社商品の強みやブランドのイメージ・独自性を意識し、それらを消費者に明確に伝えられるデザインパッケージを制作をしたいとお考えの方は、ぜひ一度【不二工芸印刷株式会社】にご相談ください。